仏教の伝播
釈尊の死後、遺骨とともに仏教も他国へと伝播してゆきました。大きく分けると、南伝と北伝とに分かれます。これらは、種々に様相が異なります。簡単に分化しますと以下のようになります。

 南伝仏教(上座部仏教)スリーランカ・ミィヤンマー・タイ・カンボジア・ラオス・ベトナム
   経典群は、パーリ語という俗語によって、伝承され共通の発音です。表記文字が国によっ
   て異なります。

 北伝仏教(大乗仏教)中国・朝鮮・日本
   梵語(サンスクリット)で表記された文献が、漢字に翻訳され、朝鮮、日本と伝来しました。

サンスクリットは、完成された文章語です。その意味で、雅語と呼ばれ、梵天(ブラーフマ)が創った言葉と言う意味で、梵語とも呼ばれました。パーリ語はその点少し文法的に曖昧さがあり、俗語(プラークリット)と言われます。漢字で、般若と音訳された言葉は、サンスクリットでは、プラジュニヤーprajNAですが、パーリ語では、パンニャーpaNNAであり、音訳表記では寧ろパーリ語を音に移した感があります。意味は、知恵と言う意味です。知恵には、原語のプラジュニヤーについているプレフックスであるpraの意味合いが出てきません。これにはより積極的なアクティブな意味合いがあります。このように、原語にさかのぼって研究することは、大変に重要なことです。
これが、サンスクリットの表記文字であるデーバナーガリーです。今日でもヒンディー語の表記文字として使われています。