盂蘭盆会とは、何か

お盆といい、詳しくは盂蘭盆会といいます。これは、ウラバンナというインドの言葉を、音で表記した音写語と
云われ、意味は逆さに吊された苦しみをいうと云われます。盂蘭盆経というお経によりますと、お釈迦様のお
弟子だった目連尊者が持ち前の天眼という神通力を使って、亡き母の姿を見たら生前の悪業によって逆さに
吊されて責め苦にあって居たといいます。この母の苦しみを救う手だてをお釈迦様に尋ねたところ、雨安居と
いう九旬(百日間)の修行を終えて精舎を出てくる修行者に供養して、その報いを母に回向せよと教えられる
といいます。早速教えに従い修行僧に百味の供物を供えて供養したところ、母はその苦しみから脱したとい
います。この故事に従い、盂蘭盆会は僧侶に供養する風習と先祖が年に一度帰ってくるという先祖崇拝と、
混淆して今日の行事になりました。
 時は折しも九旬の雨安居の解制(カイセイ)にあたり、禁足の上粗末な食事に甘んじてきた修行僧に供養す
る行事と先祖を13日に迎え、16日にお返しするという行事とがマッチしたもので、盆棚というところに位牌を
安置しお迎えし僧侶が読経しに各家を回るのを『棚経』というのです。


お盆は、みんなのお盆です。

先祖を迎えて供養し、終わってお送りするという行事は、いわゆる法事に似ています。そうですお盆は例外なく
みんなのお家で法事が行われているというわけです。それも三日三晩の行事です。子ども達は晴れ着や正装
をして健やかな成長を報告し、三日三晩を先祖とともに過ごすのです。
 よってとりわけ我が家だけが先祖の年回供養を設定し、他家から参列を求めるのは無礼なことであります。な
ぜならお盆はみんなが法事をしているからです。よって当山では、14・15・16日の法事をお受けしていません。